第6話

7/13
前へ
/317ページ
次へ
夏休みなのに"制服"。 あたしはそのキーワードに、なにやら不安を感じはじめた。 丁度そんな時――。 「あ、いた~~っ!」 一際大きな声を張り上げ、こちらに向かってきた二人に、 別にやましい事をしているわけでもないのにソワソワするあたし。 ソワソワしているのに、体が動かない原因…… それは…… 「なに?あきの知り合い?」 固まったまま何も言わないあたしを不思議に思ったのか、 はたまた、ただの好奇心からなのか、 近寄ってきた智宏のせい。 こんな板挟みの状態で逃げ出すわけにはいかないから、動けるわけがないのですよ。 「あ…、えっと……」 智宏の質問に答えようとしていると、丁度あたしと智宏の前にやってきた2人は……。 「…………」 何も言わずにぽかんと立ったままで智宏を見ている。 それにつられて智宏も固まってしまった。 あたしを板挟みにしたままで……。
/317ページ

最初のコメントを投稿しよう!

51019人が本棚に入れています
本棚に追加