第24話

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お昼休みになっても、 放課後になっても、 二人が会話を交わすことがほとんどない。 今までの楽しかった毎日は嘘だったみたいに思えて、とてつもんなく悲しく感じる。 あたしはどっちかと一緒にいることなんか出来なくて、 休み時間は屋上へと足を向け、ひとりで過ごすことが多くなった。 誰もいない屋上で、流れる雲を見つめるのは日課になった。 ――ゆうかの言う事は間違っていない。 頭ではわかってる。 でも、あたしにはその覚悟がないんだ。 それにもう別れて日数が経ちすぎている。 きっと智宏だって呆れているに決まってる。 あたしは本当に自分勝手だ。 傷つきたくないからって、相手の話も聞かずに別れを切り出して……。 そのくせ、まだ未練タラタラだなんて……。 自分が心底嫌いになる…。 そのせいで友達まで巻き込んで、 本当にどうしようもない人間だ。 「……もうやだ」 現実がずっしりとあたしを押しつぶす。 空はこんなに晴れ晴れしているのに、あたしの心の中は木枯らしが吹いているように荒れている。 「更科?」 鉄柵をつかみ、深くため息をついた時。 後ろから聞きなれた声がした。
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