すべてが開演~1日目

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目が覚めたら、白いベッドの上にいた。 簡易式なベッド。 テントの中みたいだ。 外へ出ると、日は沈んでいて、月光によって辺りが照らされていた。 大きくのびて、深呼吸をする。 夜風が気持ちいい。 隣のテントに人の声がしていた。 まだまだふわふわしている感覚がするけど、行ってみた。 テントの中。 騒々しく、いい匂い。 どうやら晩ご飯のようだ。 空中ブランコの双子が手招きしている。 「あ、こっちだよ。兄さん。おいで、おいで。」 つられて動く足。 「おなかすいた?たべていーよー。兄さんを待ってたんだっ」 満面の笑みでボクを見る。 なんだか、本当に兄弟みたいでかわいい。 「そーいえば、兄さんの名前、しらないや。おしえてよっ。オレはイビだよ。こっちが、エンだよ。間違わないでねっ」 そっくりだけど、この双子はなんとなく違うところがある。 金髪で左目が包帯で覆われているのがエン。無口な、女の子だ。 同じく金髪で右目が眼帯で覆われているのがイビ。こっちはよく話す男の子。 「ボクはー…」 そこで止まる声。 あれ? ボクの名前… あ、 そうか 思い出した。 「ボクは『カイナ』だよ。よろしくね。」 なんとなく感じる違和感。 でも、一瞬で消えてしまった。 「へー。兄さん、女みたいな名前なんだ。ふふふーまぁそんな感じだよね。」 クスクスと笑うイビ。 イビを見て、ワンテンポ遅れてエンも笑う。 「しゃーないじゃん!ボクの名前はボクがつけたんじゃないんだからさー!」 すこし怒ったように返す。 「ふふふ。兄さんおもしろいねー。兄さんのこと気に入っちゃった。よろしくね?」 首を傾げてボクを見る。 かわいい。 「よろしく」
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