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また、鼻歌を歌いながら、歩く。
これから家へ帰って…ご飯を食べて…今日のご飯は何にしようかとか、考えていた。
テントからでる直前。
「そこの兄さん」
ふと、呼ばれた気がしてテントの中を見る。
「ちょっとおいでよ」
空中ブランコに出ていた双子だ。
本当にそっくりな顔をしているが、まるで鏡に映っているようにシンメトリーになっている。
こちらへ手招きしている。
ボクのこと?と首を傾げた。
「うん。ねぇ、来てよ。」
小さい子におねだりされると断れない。
一応、ロリコンではない。
ついていってしまった。
「こっち。こっち。」
手招きでボクを誘導。
いつしか、周りがあの真っ暗なところに来てしまっていた。
「兄さんをね、だんちょーが呼んでたんだ。」
双子が声をハモらせ、クスクスと言った。
団長?
嫌な予感がした。
「もうすぐ、だんちょーがくるからね。いーこで待ってるんだよ?」
クスクスと笑いながら暗闇に消えていった。
不安。
それしかなかった。
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