3.ジュネーブ

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僕らは、その日の夕方に――時差があるので――ジュネーブ空港に降り立った。 途中でいくつかのおもしろエピソード――乗換えのチューリッヒ空港で、いきなり太った白人男性に手を握られそうになったり(理沙サンは、イチローたんはその手の男性にモテそうだから、気をつけなきゃねって、大喜びしていた)とか――が発生したが、その辺りの詳細については割愛する。 ともかく、僕らはジュネーブ空港に降り立った。 僕は理沙サンの予言通りヨレヨレのスーツ姿で。 理沙サンはいつの間にか着替えて、淡い桜色のスーツ姿になっている。 研究所でよく見かけるダークグレーのスーツとは、ひと味違う。 「おめかし」なのか? なんか、新婚旅行中の花嫁さんみたいにも見えて、ちょっとドキドキ。
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