4346人が本棚に入れています
本棚に追加
/2244ページ
僕らは、その日の夕方に――時差があるので――ジュネーブ空港に降り立った。
途中でいくつかのおもしろエピソード――乗換えのチューリッヒ空港で、いきなり太った白人男性に手を握られそうになったり(理沙サンは、イチローたんはその手の男性にモテそうだから、気をつけなきゃねって、大喜びしていた)とか――が発生したが、その辺りの詳細については割愛する。
ともかく、僕らはジュネーブ空港に降り立った。
僕は理沙サンの予言通りヨレヨレのスーツ姿で。
理沙サンはいつの間にか着替えて、淡い桜色のスーツ姿になっている。
研究所でよく見かけるダークグレーのスーツとは、ひと味違う。
「おめかし」なのか?
なんか、新婚旅行中の花嫁さんみたいにも見えて、ちょっとドキドキ。
最初のコメントを投稿しよう!