3.ジュネーブ

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「このあと、お二人をホテルまで、お送りします。明日の朝もわたしがホテルまでお迎えに上がりますから」 駐車場に止められていたリックの車はトヨタのカムリだ。スイスでも、日本車は人気があるのだろう。 「それにしても、菊川博士がこれほどお美しいとは驚きでした」 車が走り出すと、すぐにリックは話し始めた。 「驚嘆すべき仕事ぶりについては、以前から聞いていたのですが、容姿も並外れていたんですね」 いやに褒めるが、口説いてるのか? 「ありがとう、リック。でも、博士じゃなくてリサと呼んでね」笑顔で答える。 なんか面白くない気分。
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