しずる編①

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「言ったまんまの意味だよ。つうか行こうぜ、残ってんの俺達だけじゃん」 「あれ!? マジかよ」 周りを見渡すともうどのコンビも扉の向こうに消えていて、残っていたのは五つの扉と俺達、そしてあの謎の男だけだった。 「おや? これは面白い、君たちはやけに気持ちが通じ合っていないようだね」 先に進もうとしたら奴が嫌味を言ってきたのでドアノブを回そうとしていた池田の手も自然と止まってしまった。 気持ちが通じ合ってないとか余計なお世話だ。お前に俺達のなにが分かる。 「うっせ。見てろよ、一番に戻ってきてやっから……」 そう呟いた俺をまた池田がチラッと見る。またイラッとしたがここでそれを口に出したらいつまでたっても先に進めない気がしたので、口を閉じる。 池田の手により青の扉がゆっくりと開いた。
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