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少し口を尖らせて言うと池田はバックポケットからその硬い物を取り出した。
「なんだこれ、池田のか?」
それは手の平二つ分ほどの大きさの機械だった。
横に長い青い見た目と、その中心に同じく横に長い液晶画面。その画面にはなにやら不規則な大きさの白い四角がたくさん描かれていて、右上のほうには何やら小さな赤い点が存在した。
「いや、そんなの知らねえよ。見たこともない」
池田のじゃない? だとすると、このゲームに関わるものに間違いない。そして大抵こうゆうゲームに出てくる機械といえば、
「地図、だな」
俺は画面に映る白い四角と窓から見える景色を見比べて言った。
「え? 本当か!?」
「じゃあこの赤い点が、鍵の可能性が高いな」
白い四角ばかりの中に一つだけ存在する赤の点。きっと鍵の居場所を表しているに違いない。
「よし、そうと決まればすぐそこに、」
「~! 頭下げろ、ハンターだ!」
「ぐえっ!」
そのモジャモジャ頭を力任せに下げたからか、変な声を出して机に突っ伏す池田。
しかし今は外で辺りを見回すハンターに視線を集中させなければいけないのでツッコんでいる場合ではない。
幸いハンターは俺達の居る建物とは逆方向に歩いていってくれたのでまだここは安全だ。
「む、村ちゃんハンターは?」
机に突っ伏していた顔をゆっくりと上げ池田が俺に問いかける。
「行った行った、まだ大丈夫だ」
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