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ピンクの扉を抜けた先に広がった光景は、
「ここって……」
俺達の目の前に建つ、空に向かって高く伸びる六十階建ての建物は池袋のそれと全く変わらない。
「池袋だな」
隣のテクノカットがそう呟いたので俺の目は間違ってないんだなと分かった。とゆうか、おいちょっと待て。
「ここで何のヒントも無しに鍵探せっていうのかよ」
「鍵の場所なら教えてあげようか?」
あぁまただ、この背筋がゾクッとする嫌な感じ。
「お前……」
背後に目を向けると案の定狐の面を被った謎の男が居た。
「鍵はね、このビルの屋上にある」
「屋上……。屋上!?」
俺は驚きのあまり二回も屋上とゆう言葉を口に出してしまった。屋上って、この建物六十階建てだぞ。まさか、
「もちろんエレベーターなんて作動させてないからね。まぁ、がんばって」
それだけ言い残すと奴は光に包まれて消えていった。ざけんなよっ。なにががんばってだ、こんな状況に追い込んだのは誰だよ!
「良かったな若林、鍵の場所を教えてもらえただけラッキーだぞ」
「なにがラッキーだバカ野郎、他のコンビは俺等より楽かもしれねえのに」
「俺達より過酷って可能性もあるぞ」
……それもそうだな。
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