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それから俺達は一階から八階まで階段でのぼる。さすがに高校時代アメフトをやっていたとはいえ、もう三十の体にこれは応える。
「若林、階段はここで途切れているぞ」
「はぁ? ふざけんなよ、また探さなきゃいけねぇのか」
ここから上はもう普通のオフィスになっているのか、お客用の階段で行けるのは八階のここまでだった。
「しょうがねえ、社員専用の階段か非常用階段探すぞ」
半ばイラつきながら俺はクリニックや薬局といった設備が整っている八階を探索し始めた。
「見つけたら言えよ」
「うぃ」
「いや、もういいから、うぃとか。ちょっとムカつくし」
「うぃ」
おい、体が多少疲れ気味でイライラしている時にこれは無いだろ。こいつ……。マジ殺してやろうか!?
「なんだテメェ、こんな状況なのにふざけてんのか! 大体お前はそうやって……」
説教をはじめようとした直後に、背後に少しの違和感を感じた。
俺達のものじゃない、足音。
「若林?」
本当は止めてはいけない歩みを、止めてしまった。
イヤな汗が頬を伝う。
恐怖で振り向く事ができない、しかし、振り向かなくては……。
思い切って背後に顔を向ける、近づく、足音。良く聞くと一人ではない。
「やばい……逃げるぞ春日! ハンターだっ!!」
そう告げると疲れた体に鞭を打って俺達は駆け出した。
幸いまだハンターは俺達に気付いていなかったのか足音を聞く限りゆっくりと歩いているだけだった。しかし、
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