オードリー編①

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「若林?」 「……かす、が?」 頭上から落ちてきたその声に、俺は耳を疑った。 顔を上へ向けると、一つ上の踊り場から俺を見下ろすピンクベストのテクノカット。 はは、俺もついに壊れたか? 「良かった、若林も逃げ切れたんだな」 そう言ってニコニコ顔で階段を下りてくる春日。 「お前、本当に春日か……?」 「なにを言っている? 正真正銘、お前の相方春日だぞ。ヘェッ!」 あぁこの馬鹿面は俺の相方しか居ねえわ。 「お前、いつからここに?」 「若林とはぐれてからすぐにここを見つけて逃げ込んでな。最初は鍵を掛けておいたんだがもしかしたら、っと思って鍵を開けておいたんだ」 俺とはぐれてすぐ? はぁ?? ふざけんなよ、俺がどんだけ走り回ったか……。 「わ、若林? どうしたんだ、震えて」 「うっせえぇぇぇ! 一発殴らせろテクノ野朗!!」 「ちょ、まっ、若林! 春日がなにかしましたか、ぶほおぉぉぉっ!!」 怒りがマックスまで達した俺は春日に強烈なボディブローをお見舞いしてやった。 案の定春日は腹を抑えてうずくまり、ぴくぴくしていた。
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