フルーツポンチ編①

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目の前の草むらからひょこっと現れたのは、一羽の白いウサギだった。 どうやら音の正体はコイツだったらしい。いや、でも安心できない。ここは俺達の頭の中での出来事なんだ。こんなウサギでも、もしかしたら何かの罠かもって……。 「なに触ってんだよ、お前~!!」 「え? なにって、」 本当にこいつは元自衛隊だったのだろうかと今更ながらに思う。なにやさ~しくなでなでしちゃってるんですか亘さ~ん。 「お前、それが罠だったらどうすんだよ!」 「いやいや、こんなかわいいのに罠なわけないでしょ」 俺のほうも見ずにそう言うと亘はまた真っ白なウサギをなで始めた。 「ったく、それより早く鍵探すぞ」 「あぁ、そうだった。じゃあね」 笑顔でウサギに手を振る亘。まぁ亘らしいっちゃらしいけどなぁ。 でも、 「亘……」 「ん?」 「ついて来ちゃってるぞ」 「え? ……あっ!」 後ろを向けばさっき別れを告げたのに、俺達、とゆうか亘に一生懸命ついて来るウサギの姿。 「う~ん。どうしよ、村上」 「どうしよって……、ほっとけば良いんじゃねえの? そいつだって、ただのデータにすぎないんだぜ」 「ひっど! そうゆう言い方ないだろ!!」 「ひどいって、俺は正しい事言っただけだぞ。それにまだ俺はそいつ疑ってんだからな!」
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