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「くらええぇぇぇぇ!!」
大声を出して右手に掴んだ拳ほどの大きさの石を、ハンターの顔面目掛けて思いっきり、投げつける。
すると聞いた事のない機械音が響き、メキメキと機械が潰れる音。
反射的に瞑ってしまった目を恐る恐る開くと、目の前には顔を陥没させ電気と火花をバチバチと散らしたハンターが、今まさに倒れる瞬間だった。
「壊れ……た、のか?」
機械とは言えちょっと気の毒だったかと頭の片隅で思いながら、また恐る恐る近づいて、右足でチョンッと突いてみる。
しばらく見ていて起き上がる様子もなさそうなので、俺はハンターから少し距離を置き地面に座る。
するとドッと汗が流れ出て、今までの疲れと緊張が一気に襲い掛かった。
はぁ、と溜め息に似た深呼吸をひとつ。
「あいつを、一人にさせるわけにはいかないんだよ」
もう一度、今度は自分に言い聞かせるように呟いて、俺は体を起こした。
「絶対に見つけてやる、川島……!」
そして二人で、このバカげたゲームから脱出する。
何よりも俺を動かすのは、あいつの笑顔だから。
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