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古きよき江戸の香りが残るこの場所は、俺達にとってはとても居心地が良いはずの場所。
実際今も、命が懸かったゲーム中だというのにこの安心する空気に緊張感も何もかも吸い取られている感覚がする。
「土村くん」
「はい? 土屋ですけど」
「ここ、浅草だよな」
「どう見ても浅草ですね」
俺の左隣に立つ相方もそう言うんだ、間違いないな。
人が一人も居ないって事は置いといて。
後ろにはドンッと存在する浅草の名物の一つ、雷門。
「土嶺くん」
「はい? 土屋ですけど」
「なんか、風神雷神動き出しそうで怖いな」
「いやいや、それはさすがに無いですよ」
「でもさぁ勅使河原くん、」
「いつまでやるんですか! 土屋です!!」
「あっ、ツッコむの面倒になった?」
「さすがに……」
そう言う土屋は顔に苦笑いを浮かべていた。とにかくふざけられる所ではふざけていたいんだけどな。
「とりあえず動きましょうか、塙さん」
「あぁそうだな、じゃあチラ見せ通りのほうに、」
「仲見世通りね仲見世。なにそのちょっといやらしい名前の通り!」
「そうそう仲見世通り。そっち行ってみるか」
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