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あぁ、だいぶ空気が重くなった。こうゆうのすっげぇ苦手なんだよなぁ、と地面に目を向けながら思った。
すると、
「……! 塙さん、止まって!」
「え?」
いきなり左腕を掴まれてそう言われたので言われるがまま立ち止まる。土屋になんだよ、といった感じで目を向けると。
「ハンターです」
真剣な表情で、そう呟いた。
「ハン、ター?」
土屋が目を向けている前方に目をやると、随分距離はあるが、俺達を捕まえるのが役目の黒ずくめの男、ハンターの姿があった。
俺がハンターの姿を確認した瞬間、ハンターがこちらを向き、俺達に向かって走ってきた。
「あ、気付かれた」
「な、なに呑気にしてるんですか!? 逃げますよ!」
そう言うと180度方向を変え俺の腕を握ったまま走りだす土屋。
まぁ我ながらにあ、気付かれた。は薄いリアクションだったなとは思うけど。
なんだかハンターに追われる緊張感よりも、今はなんだか……
さっきから原因不明のこの胸騒ぎがうっとおしくて。
「は、塙さん。もっと早く走れないんですか!?」
「あ、あぁゴメン」
うっとおしくて、走ることに集中できない。今大事なのは何よりも、ハンターから逃げる事なのに。
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