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と、少しの間ナイツの二人に気を取られてるうちに、はんにゃの二人が居る場所が、やけににぎやかになっていた。
「また、増えてる」
そこにはしずるの村上くんと池田くん。それからフルーツポンチの村上くんと亘くんがはんにゃの二人と話をしていた。
本当どうなってんだよ。これがドッキリかなんかだったら良いんだが。
「全員そろったか」
一瞬、背筋が凍った。
いきなり発せられた聞き覚えのない男の声に、俺達は声の聞こえた方、背後に体を向けた。
そこに居たのは黒いスーツを着て狐の面を被った謎の男。
なんだこいつ……。
「おい、誰だよお前!」
しずるの池田くんが男を睨んで言葉を発した。
「フフ、今から君たちのコンビの絆を見せてもらうよ」
「無視かよ」
池田くんが小さくツッコんだ。にしてもコンビの絆? どうゆう事だ。
「まずここがどこか説明しないとね。信じられないだろうが、ここは君たちの頭の中。本物の肉体は現実世界で眠っている状態だ」
ここが、俺の頭の中? いきなり言われても思考が追いつかない。ただはんにゃとナイツ、それにしずるにフルーツポンチが何も無い所からいきなり現れたんだ。現実世界じゃない事は、確かだ。
でも、ここが俺の頭の中だっていうならここに居る春日や皆は、なんなんだよ。俺の頭が作り出した偽者か?
「あぁ、君たち全員の頭の中は機械で繋げさせてもらった。だからここに居る皆本物と変わらない。正真正銘本物の相方だ」
繋げさせてもらったってのが気に食わないが、今俺の隣に立ってるテクノ野朗や皆は本物と考えて良いって事か。
……とゆうかこいつ、俺が疑問に思った事を。偶然、か?
「フフ、偶然じゃないよ」
また、背筋が凍る。こいつ……!
「君たちの頭の中は僕が管理しているからね。君たちが何を考え何を思っているかなんてお見通しさ」
「……趣味悪りぃな」
しずるの村上くんが小さくぼやいたのを俺は聞き逃さなかった。
「話がずれてしまったね。戻そうか、コレを見てくれ」
そう言うと男は右手の指をパチンッと鳴らす。すると男の後ろに五つの大きな光が現れる。かと思うとその光はどんどん姿を変えていき、最終的には縦長の扉になった。
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