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俺達の前にはピンクの扉。ナイツは緑。はんにゃは赤。しずるは青。フルーツポンチは黄色とそれぞれの扉が準備された。
なるほど、皆もこんな風にしてここに現れたのか。
「この扉を開けて先に進むことができたなら、君たちの意識は元の現実世界に戻れる。ただ今は鍵がかかっていてね、開ける事は不可能だ」
鍵? 良く見ると扉のドアノブの下には小さな鍵穴があった。
「その鍵をコンビごとに探し出すのがメインのルールだ。でもただ探すだけじゃ、つまらないからね」
お面を付けているはずなのに、俺にはこの男が不気味に笑っているのが分かった。男はまた指を鳴らす。男の左隣に一つの光。その光が変えた姿は、
「ハンターロボットって言うんだけどね。君たちも知ってるあの番組のキャラを参考にさせてもらって作り出した機械だ」
どう見てもそれは、街中を賞金のために逃げ続ける芸能人達を捕らえるあの男だ。
「このハンターに完全に捕まったら失格。ここに強制転送されて二度と鍵を探しに行く事ができなくなる」
ルールもほぼパクリだな。
「それと、現実世界のハンターは捕まえる時優しいけど、僕が作ったハンターは優しくないよ。それに力も、ね」
男がそう呟いたと同時、ハンターは俺の相方、春日目掛けて物凄い速さで突進してきた。
「~! 春日!!」
「っうぁ!」
俺が叫んだときにはもう春日は、ハンターの力により軽く五メートルは吹っ飛ばされていた。
嘘だろ……いくら気を抜いていたからとはいえ、春日がこんな簡単に飛ばされるなんて。
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