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「いや、冗談だよ」
気付いたらいつの間にか恐怖は消えていた。認めたくねぇけど、春日のおかげ、だな。
「フフフ、じゃあそろそろ始めようか」
「ちょっと待て、一つだけ聞いて良いか?」
右に目を向けるとフルーツポンチの村上くんが言葉を発していた。
「あぁ、分かってるよ。どうしてこんな事をするのか知りたいんだね」
俺達の頭の中を覗く事のできるそいつは言った。どうしてこんなゲームをするのか、確かに一番気になるところではあった。
「僕はね、大嫌いなんだ。君たちみたいに相方がいつまでも自分について来てくれると思ってる芸人がね!!」
今まで比較的穏やかだった奴の声が急に荒っぽいものとなり、俺は一瞬怯んだ。なんだ、なんか芸人に恨みでもあんのか?
「だから極限状態の中、君たちの絆をズタズタに引き裂いてやろうと思ってね。今まで築いてきた絆が崩れる瞬間、すごく面白いじゃないか」
絆をズタズタに引き裂く? 崩れ落ちる瞬間? そんなのが見たくて俺達命まで懸けられたのかよ。
「まぁ詳しい事はクリアできたものだけに教えよう。クリアできたらの話だけどね。じゃあ始めようか」
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