その執事達、始動。

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200X年、東京―― 高層ビルに囲まれたコンクリートジャングルの中で暮らす人々の心は、カラッカラに渇いていた。 「つーか、暑くね?」 けだるそうに、傍らにいる友達に話しかける女子高生。 「マジ死にそ~!!コンビニに避難しよ~よ」 ボタンを開け大きくはだけた胸元に、超がつくほどの短いスカート。 いかにも今の女子高生!と言う格好の2人は、数メートル先にあるコンビニを目指して歩いていた。 「ってか、昨日のメ●ちゃんの執事見た!?」 「見た見た!!マジで執事欲しいんだけど〰」 会話に華が咲き、周りの事など見えていない様子の2人。 チリーンチリーン 前から自転車が走ってき、その事を知らせるベルが鳴り響く。 しかし、女子高生達の耳には届いていない。 危ない!! そう思った瞬間、自転車は女子高生の横を通りすぎた。 ビリッ――― 「えっ!?」 一安心かと思いきや、自転車の荷台に積まれていた荷物を纏めていた針金が、彼女の青いシャツに見事にHitした。 もちろん、自転車の運転手が気付くはずもなく彼女のシャツは盛大に破れた。 キキィ―――ッ やっと異変に気が付いた運転手がブレーキをかけたが事既に遅し。 「ちょっと!どーしてくれんの!?マジでありえないんですけど」 女子高生が抗議の言葉を口にすると、 「しっ知るか!ちゃんと前を見て歩かないからだ、バッキャロー!!!」 そう、怒鳴り付けると自転車に跨がり風の様に去って行った。 「…マジでありえないんですけど」 ヘタッと地面に座り込んでしまった友人にかける言葉が見つからず、アタフタする女子高生。 そんな2人を通行人は、助ける訳でもなく、クスクスと愉しそうに見ては通り過ぎていくだけだった。 ざっくりと、破けた服を下着が見えないように必死で隠す彼女に、チクチクと視線が突き刺さる。 「…ッもッヤ…ダ……」 羞恥心からか、彼女の目からは大粒の涙が溢れて出てきた。 「誰かッ…助けてよ!」 蚊の鳴くような声で呟いた瞬間――― 『仕方ありませんねぇ』 何処からともなく聞こえた、低く甘い声。 そして、目の前に現れたのは……
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