神々の器

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どうして私が? 女はそればかり頭を巡らせていた。 体は麻酔を打たれ動かすことができない。 声を発したくても、魔法によって沈黙状態にさせられている。 女は人間に酷似しているが人間ではない。 新緑の髪色にルビーのような瞳、尖った耳がそれを証明していた。 女はエルフと呼ばれる種族だった。 エルフは人間から隠れるように生活している。 神々が残した神器を護っている。人間の知らない未知の力を隠すために。 これらは人間が勝手に想像した理由のため、真実は未だ明かされていない。 ただ、人間にとって未知なる種族はとても興味深いものだ。 それが美しければ美しいほど。
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