カナリア舞う夜空

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闇の中に灯されるのは寂しげな蝋燭の炎。 鋭く輝いたのは短刀の切っ先。 刃は獲物の首もとに食い込み、切れ目からは鮮血が流れ出す。 「やめろ………!?俺が死ねば情報は得られなくなるぞ」 身動きの取れない暴漢は、今にも発狂しそうな表情だ。 しかし、刃は動きを止めることはない。 「別に?君が死んでも構わないさ。他の奴らを捕まえて吐かせればいいんだから」 言の葉を発した男は女に囁くよう、優しく喋りかける。 「運が悪かったね。オリヴェスなら情けをかけたりするけど、俺はそんな事しないんだ」 「やめ……………やめろおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 絶叫が部屋中に響き渡る。それが終えると同時に「ゴトッ」と床に何かが落ちる。 男は石ころを転がすように壁に蹴りつける。 「………おい。ヒョウリュウ、少しお前は我慢を覚えろ。それじゃあ拷問してる意味がない」 一部始終を見守っていた銀髪の男が、壁によりかかり呆れた表情をしていた。 「なら、面倒臭がらずにオリヴェスがしなよ。僕はこういうのは苦手だって、耳が痛くなるくらい言ってきたはずだよ」 俺は顔面についた血液を手で拭き取りながら、先程まで息をしていた暴漢の首のない死体を見つめる。 「……多分、こいつは何も知らないと思うよ。苦し紛れで情報を知ってるってほざいただけだろ?」 先程蹴り飛ばした首が壁に弾かれ、傍らに転がってきた。 その生首の髪の毛を掴み、隅に溜めている水槽に放り込む。 その途端に激しく泡立ち、生首が形を残すことなく消えていった。
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