序章

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序章

「これで終わりだ!滅びろ魔王ロンザーク!」 勇者アルディは最後の力を振り絞って渾身の一撃を魔王にあたえた。 「ぐおぉぉぉぉぉぉぉぉぉー、ゆっ、ゆるさぬぞぉー勇者アルディー…。絶対貴様に復讐してやる!例えこの身が滅びようとも、この憎しみは永久に消えることはないぞー!」 バターン。魔王は倒れ息絶えた。その体は少しずつ崩れ始めて段々土へと還っていった。 「…やった、やったぞ!魔王ロンザークを倒したぞー!」 勝利を喜ぶ勇者アルディと仲間達。 彼らは世界を救うため、弱い人々を守るため、悪の元凶、全ての魔王達の頂点に立つ魔王ロンザークを長い冒険の果て、遂にやっつけたのだ。 彼らは喜びの笑顔に溢れ、傷付いた互いの体を支え合いながら自分達の家族の待つ故郷へと帰って行った。 それから10年、魔王ロンザークが敗れたことにより、他の魔王達は息を潜め、世界には平和が訪れた。 人々はこれを喜び、勇者達を讃え、この平和が永遠であることを祈った。 …。 …。 …。 しかし、更に10年の歳月が過ぎた頃、世界の平和は終わりを告げようとしていた。 魔王ロンザークが敗れた時、他の魔王達は勇者の力に恐れを抱き、一度身を潜めて力を蓄えることに決めたのだ。 そして20年が過ぎた今、魔族達の反撃が始まった。
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