七夕

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「中々会えないのは、某たちと同じでござるな」 「よく言うぜ。戦がなければしょっちゅう奥州に来るくせに」 「む、それでも某は毎日政宗殿にお会いしたい」 クックと咽の奥で笑われる。いつもなら文句の一つでも言うけれど、今日は何だか彼が楽しそうで言葉を飲み込んだ。 「笹の葉と短冊を用意すればよかったな」 「政宗殿が短冊に何て書かれるのか気になります」 「ah?そういうあんたこそ、何て書くんだ?」 「そうでござるな、某なら…政宗殿が無茶をしないように書くでござる」 頭に浮かんだのは昼に見た血の赤と倒れる彼の姿で、できればもう見たくはないと願ってしまう。 「そいつぁ、願うまでもないんじゃないのか?」 「?」 「あんたが傍にいて、俺を見てればいいだろ?」 どうして彼は、挑発するように笑うのだろうか。血の匂いを纏わせているくせに、この後傷が開いて文句を言われても、それは彼のせいだと胸を張って言えるだろう。
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