506人が本棚に入れています
本棚に追加
『…仕方ない』
『そうですね…とりあえず倒しちゃいましょう?クレイ』
「あ、うん。」
ため息をつきながら頭を撫でてくれる手に顔をあげて頷く
夜神は微かに微笑むとスカルドラゴンに対峙した
朝月も同じように頭を撫でればさらりと爆弾を落としたあと対峙する
『お説教はあとです』
「…あるんだー…」
『ありますよ?だから早く終わらしなさい』
朝月に凄まれ肩を落としながらため息をひとつついた俺は右手の人差し指を伸ばしながら円形になるように一振りし魔法陣を発動させる
魔法陣から光が溢れだすと俺の背中から純白と例えられる大きな白い翼があらわれた
魔族でもある俺は超上級魔法を使う際には必ず翼が出てしまう
普段は自由に出したりしまったりをしているがこういうときはやっぱり不便だ
「刃のごとく貫き、風のごとく駆け抜ける光をクレイの名のもとに今、降らせたまえ!―…レディクション!!!」
光の刃のごとく鋭いものが幾千もの数でスカルドラゴンの頭上に現れ風の速さで降り注いだ
スカルドラゴンは避けることは叶わず物凄い雄叫びをあげながら崩れ灰となって消えた
俺はそれを見届けるとふー、と息を吐き出しその場に座り込んだ
「つ、っかれたー!」
『お疲れ様です、クレイ』
「んー…スカルドラゴンなんてのはもう二度とお目にかかりたくない…」
『そうはいかないだろう』
「…で、すよねー」
寝転びたいが汚れるから、とふよふよ宙に浮きながらだらしなく答える俺に夜神は苦笑しながら俺を降ろした
『さ、帰りましょう。翼を仕舞いなさい、クレイ』
「あーい…帰ろ~帰ろ~」
ぱっと翼を消して転移魔法を呪文なしで発動させた俺は朝月と夜神と一緒に意地悪そうな笑みで俺の帰りを待っているであろうミトスのところに帰った
*
最初のコメントを投稿しよう!