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side:水刃(ミズハ)
理事長から入学する転入生の案内を頼まれた僕は指定された時間の少し前に校門の前でその転入生がくるのを待っていました
「どんな人がくるんでしょうか…楽しみですね、雷來」
狼の姿をした使い魔、雷來(ライライ)の毛を撫でながら話しかける
雷來は嬉しそうにほお擦りしてくる
「雷來かわいいですー」
『可愛くなどない』
「かわいいですー」
雷來は話ができる高位魔獣です
なんですけど、ふわふわの毛並みはやっぱり気持ち良くて可愛いんです
そんな時でした
「あっれー?水姫じゃーん」
「まじ?」
「うっは、ひとり?」
「あ…」
上級生の体格の大きな悪い噂しか聞かない人達が近づいてきたんです
雷來は威嚇していますが、今は戦闘能力を極限まで押さえてあるため戦えないのです
絶体絶命、な状況です…
「なーなー聞いてる?俺らと楽しいことしようぜ?」
「いやです…!離してください…っ!」
「いいじゃんか~」
「やめてくださいっ…」
腕を掴まれ僕は怖くて震えながら抵抗しました
解放してくれるまでばたばた暴れてもみたのに刃が絶たない
悔しくて涙まで込み上げてきてこんな人達に良いようにされるのが嫌で僕は涙がとまらなかった
「うるとらすーぱーきーっく」
「ぐはっ」
そんなときに飛び込んできた光景は綺麗な銀髪に赤と碧のひかれるような瞳を持った人とその人が発する凜と響く声の棒読みな台詞
綺麗なまわしげり
突然現れたその人に僕を捕まえていた人達はあっという間に吹っ飛ばされていた
「大丈夫?」
「あ、はい…ありがとうございました」
にこっと微笑む相手に安心して微笑みをうかべた僕は相手の後ろで倒れてた人をみて青くなった
魔法を、発動させたのだ
「くらえっ!」
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