506人が本棚に入れています
本棚に追加
side:クレイ
「くらえっ!」
いきなり大きな声で聞こえた台詞にん?と振り返る
炎系の初級魔法がいくつか飛んできていた
俺はそれをみて青ざめるちっさい子と逆に笑いを浮かべる
なんて、しょぼい魔法だ
手を前に出し小さく呪文を唱えた俺はそれを消した
「甘いんだよ、あんた」
「なっ…」
「さっさと失せな。それと……お返しだ。『イフレーション!』」
「ぎゃぁぁっ、た、た、助けてぇぇっ!!!」
さっき受けた初級魔法のお返しに返した魔法を受けた男どもは一目散に逃げ出した
俺はその光景がおかしくてくすくす笑うのをやめられなかった
「あ、あのー…」
「ああ、もう大丈夫だな。俺はクレイ・ランドル。」
「え、じゃあ貴方が新入生さんですか?」
「みたいだねー。」
「僕、高宮水刃といいます。理事長に案内を頼まれたので待ってたんです」
そういって黒のぱっちりした目を細め艶のある黒髪を揺らしながら頭をさげる水刃という少年に俺は癒された
男子校なのに癒されキャラがいるとは思わなかった
その言葉通り癒された俺は水刃の頭を撫でた
「わわっ」
「癒しだなー。水刃て呼んでいいか?」
「は、はいっ。僕もクレイ、てよんでもい、いですかっ」
そこで噛むのか。
俺は顔を真っ赤にしながら慌てる水刃にくすっと笑いを零し頭をまたぽんぽんと撫でて頷き了承した
「じゃあ、理事長室…は別にいいそうなので、寮に向かっちゃいましょう」
「え、いいのか」
「いいみたいです」
「なに考えてるんだ?あの理事長」
「…謎多きお方ですから」
そういいながら俺達は寮にむかった
.
最初のコメントを投稿しよう!