1.日常

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「菜穂としーどっちがたくさんメール来るか競争ね!」 「また?暇だしいいけどさー」 屋上に続く階段の踊り場で授業をサボっていた時の出来事。 私『篠本 菜穂-シノモト ナホ-』の 親友『神崎 志穂-カンザキ シホ-』が 言った一言でした。 この頃の私たちは出会い系サイトを使って何人から返事が来るか楽しんでいた。 そう…今日も暇つぶしのためにやった遊び。 「「せーのっ」」 私たちの行為はサクラ状態。 別に出会いを求めている訳ではない。 理由は簡単 私は男を信じてないから 何故か? 簡潔に言うと『裏切り』 言葉って不思議。 嫌な事でも簡単な言葉で済むから 実際は苦痛だったのにね。 今では志穂以外嫌い そんな私を見兼ねた志穂は 一時同じクラスの『高橋雄太』とくっ付けようとしてたけどいつの間にか志穂の彼氏になってた。 取られたよりも先に幸せそうな志穂の顔を見て良かったねと思っていた自分が居たりする。 ---PiPiPi--- 「菜穂の携帯もう鳴ってるし!!」 「あはは。絶対同じ人から志穂にもメールくるって」 「ありえる!暇なんだろうねー」 「うちらも人のこと言えないし」 相手も暇人。たぶん誰でもいいから相手してほしいんだろうね。 私たちと同じ。 だから絶対志穂にも同じ人からメールが来る確率が高い。 只今16件受信中 始めてからそんなにたってないよね? それにしても… 社会人!携帯いじってる暇があるなら仕事しろよ。 まぁー人のことは言えないか…。 ---タッタッタッ--- 階段を駆け上がる足音が聞こえる
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