始め、互いに礼

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オイラは酔っていた コンビニのバイトも、レジの金を間違えるから、とクビになり 体力勝負!と土方のバイトも、肘を痛めてクビんなった 頭のわりぃオイラに、出来る仕事なんてあんのかなー… なんて自棄になり、コンビニで袋いっぱいビールを買い、公園で飲んでた。 まわりを見ればカップルばっか。 居辛さから、その場を後にした ふらふら、宛てもなく彷徨ってたら… 『うわぁー、ちょー豪邸ー。こんなん、誰が住んでんだよ』 世の中間違ってる 金持ちと貧乏人 差がありすぎだろ。 イラっときたオイラは、何故かチャイムを連打していた。 キンコーン 【はい。どちらさまですか?】 『あーいっ、上地さんちの、ゆーちゃんでっす!』 【アポイントはお取りですか?】 『んなの知らねー。ねーねーだれー?』 【「どうかしたの?」 あ、粕谷様、来客のようですが…様子がおかしいんです。 「浮浪者?」 そのようで… 「ふーん」】 『おーいっ!オイラを無視すんなー!』 レンズに思いっきり顔近付けた。 向こう、見えねぇかな…って 今思えば、ドアののぞき穴じゃねーんだから見えるわけねーんだけど。 【『ぷっ、こいつ、面白いじゃん。上げてよ』 えっ!?は、はい。粕谷様、かしこまりました。】 がちゃ 荘厳な音がして門が開き、オイラは中へと足を進めた。
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