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『パンツの色、何色~?』
『パンツの色、何色~?』
『パンツの色、何色~?』
やまびこのように、俺の脳裏に同じ言葉が繰り返される。
終わった…。
ひと言だけそう思った。
が…
「くっ、黒です…」
俺は耳を疑った。
だが確かに花子は、頬を赤らめ、そう答えた。
「へぇーじゃあ彼氏いるんだ。
黒の下着は自分で買っちゃ駄目だもんね。
彼氏に、お前こーゆうのはけよーって言われて、初めてはいていい色だもんね。」
そんな事誰が決めたのかは分からないが、ヒデは相変わらず、空気の読めない発言を続けている。
「彼氏はいませんっ、でも1人でいるのがさみしくて…、実はこーゆうお店来るのも初めてなんです!」
花子はまた、恥ずかしそうに答えた。
その後花子は、ふっきれたかのように話始めた。
最近彼氏と別れた事。
持っていた貯金の半分以上を使って、精一杯オシャレした事。
実は緊張しすぎて、生まれて初めてタバコを吸った事。
出身は俺の隣街にあるド田舎だった事。
そして…
店に来た時、目をそらした俺を、可愛いと思って指名しようか迷ったという事。
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