空想世界

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東京、新宿、歌舞伎町。 相変わらずこの人の多さ、俺は苦手だ。 若者が集団で騒いでいるのを見ると、正直イラっとする。 寝不足の、もやもやした頭のせいか、それがいつもより強く感じる。 君の事が頭から離れず、昨日俺は眠れなかった。 また会いたい。 素直にそう思う。 店内の掃除を終え、入口に並んだ。 いつもの光景。 ただいつもと違うのは、気持ち。 俺は君にもう一度会える事を願って、今ここに立っている。 「いらっしゃいませー!」 嗅いだ事のある香り。 『花チャン!』 内勤の案内で、花チャンは昨日と同じ席に座った。 まさか本当に会えるとは思っていなかった。 「お前やったじゃん!指名もらったぞ!頑張って来い!」 そう言われ、ヒデは嬉しそうに花チャンの元へ向かった。 ヒデ指名だった…。
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