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骸のことを考えると思い出すのは3ヶ月前、長期任務に出る前の骸が言った言葉。
守護者だからって理由で傍に居て欲しいわけじゃない。“沢田綱吉”だから横に立ちたい、傍にいたいと思って欲しい。
願いはただそれだけなのに、叶うのは難しい。卑屈な考えしか浮かばない己にまた1つ溜め息が零れていく。
「綱吉君?」
考えることに熱中していたせいか、珍しく人の気配に気がつけなかった。
「っ、え?」
急にかけられた声にびくっと肩があがる。
「珍しいですね、仕事が終わってないのにこんなところにいるなんて」
「む、骸?!」
聞き覚えのある声に慌てて振り返ると、先程まで思考を占めていたその人が立っていた。
「はい」
俺のその反応に、骸はにこりと楽しそうに笑った。
「なんでいるんだよ!いつ帰って来たんだ?だ、連絡は…?」
普段なら帰れる目処がたつと連絡が来て、それから2、3日で帰宅する。しかし、今回はなかった。何日もその連絡を待っていたというのに。
「あれ?メールで送ったはずですよ?」
「めーる…?」
「そうですよ。メールです。見てないんですか?」
「見てない…」
「実は――」
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