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いつもなら電話なのに、どうして今回はメールだったのか。その理由を骸が説明しているけど、今骸が目の前にいる驚きが大きくて、右から左に抜けていく。
「―くん、綱吉君?」
「へ?…っうわぁぁああ!!」
「全く、聞いてなかったんですか?」
びっくりした。ボーっとしてたら骸の顔が目の前にあって、凄く近くて、思わず叫んでしまった。そんな俺の様子を見て呆れたように溜め息をつかれる。
それにまたびくりと肩が揺れてしまう。
「悪い、なんだっけ?」「書類、雪崩がおきそうなくらい溜まってましたよ。どうかしたんですか?」
しまった。まだ帰って来ないと思っていたから終わらせていない。
「なんでもないよ…もう戻って終わらせるから」
何だか恥ずかしくて、骸から目を背けてしまう。
「?顔が赤いですね。熱ですか?」
「へ?」
熱を計るためか、のびてきた手を思わず弾いてしまった。
「わ、悪い!本当になんでもないから!」
「綱吉君?」
骸の目が訝しげに細められる。
「なんでも、ないから…」
自分が情けなくて、悔しくて、何だか泣きたくなってくる。
ベンチから立ち上がって、逃げるように背を向ける。
「じゃあ、俺戻るから!」
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