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窓際の最後列、これ以上ないほど絶好のポジション。
ここが私の座席。
机に向かう途中、仲の良い何人かの子とすれ違い様に一言ずつ声をかけられた。
「あっち見て」とか「びっくりするよ」とか。
朝からキャッキャウフフって、中学生かあんたらは。
ったく、こっちは寝起きに全力疾走で登校だってのに。
「初めまして」
鈴を転がしたような、小さくて凛とした可愛いらしい声がした。
乱暴にカバンを置いた下品な音に濁ることなく届いた声は、私の座席の真横から発されていた。
「…………誰?」
何もなかったはずの隣には、机一式と、うちの制服を纏った見知らぬ少女。
随分と小柄で、幼さが残る童顔。
茶色っぽい頭髪は全体的に短く、さくらんぼのような髪止めようのゴムで左右を小さく結ってある。
何こいつ、中学生?
「今日、ここに転校してきました、萩野恵(はぎの めぐみ)です。よろしくね」
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