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萩野とかいう少女は、軟らかい笑みを浮かべて右手を差し出した。
体が小さければ、もちろん手も小さい。
なんだろう……すごく胸がキュンとする。
あと首の痛みが疼く。
子供ってあんまり好きじゃないけど、この娘はなんか小動物みたいで、見てて和むというか、可愛いらしいというか。
なんだこの気持ち。
庇護欲?母性本能?もしや……萌え!?
どっかのクラスに「〇〇たん萌え~」という鳴き声のブタメガネがいた気がするけど、あいつもこんな気持ちだったのか!?
あいつがフィギュアを眺める卑しい眼差しを、今の私もしているというの!?
いや、違う!
私の心はピュアなの!
あんな下品な目つき、するはずがないわ!
この気持ちは、きっともっと素敵で純粋なもの。
例えば…………恋!
って乙女か己は!!
いや乙女だ!!
「ああ、うん、よろしく」
脳内のくだらない一人漫才を投げ出し、小さな手を握り返した。
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