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――――バチンッ!!
ほとばしる強烈な閃光。
右腕は盛大に弾き飛ばされ、その衝撃で後ろにのけ反り、ドンピシャで私の席に着地する。
何が起きたのか、まるで理解できない。
当然の如く、クラスはざわついた。
なんだなんだと生徒たちは振り返り、視線が一斉に私へと向けられる。
「なんだ今の音は。藤原、お前か?」
うーちゃん先生が首を傾げ、訝しげに言った。
こっちが聞きたい。
私は彼女の手を握っただけだ。
その瞬間、雷のような閃光と弾ける音に包まれて、頭と視界が真っ白になった。
まだ、目がちかちかする。
言葉を失った私は壁にもたれ掛かり、茫然としたまま少女を見る。
回復しきっていない視力で、微かに笑う少女の姿が見えた。
少女は右腕を背中に隠し、左手を小さく挙げて、
「静電気です」
と言った。
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