第一章【桃色少女】

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うわ最悪、制服くしゃくしゃになってるし。 しかもさっき気付いたんだけどカバンを枕替わりにしてた。 何これ?私どんだけ疲れて帰ってきたの? てか昨日どうやって帰ってきたんだっけ? 何時くらいに着いたっけ? 「なんかもうどうでもいいや。学校サボろうかなぁ……」 大罪である怠惰に支配されつつある私はベッドにもう一度寝転がる。 気持ちだけはすでにお休みモードです。 再び眠気の襲来を許した私はボーっとする頭でサボった言い訳を適当に考えながら、ふいにカバンの中に手を突っ込んだ。 教科書とかシワになってないかなぁ……。 中身は見ずにまさぐっていると、くしゃっとなってる薄っぺらいプリントを一枚掴んだ。 ああ、被害者発見。 なんのプリントだろ。 引っこ抜いた右手に握られてるのは、見事にシワだらけで少し破れてる紙。 読みにくかったが、そこには確かにこう書かれてあった。 “中間テスト事前報告” テスト…………。 テスト……? テス……ト……? テストォ! テェースト! テスト…………テストオオオオ!! 忘れてた………… 「うわああああ!!行ってきまーす!!」  
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