944人が本棚に入れています
本棚に追加
(携帯で誰かと喋っているのかな?)
悪いと思いながら聞き耳を立ててみると、違うらしい。
話し声というよりは、喘ぎ声っぽい。
(もしかして!!HなDVDでも見ているのか?)
考えてみれば、律兄貴も和臣さんも、麻衣さんと同い年だ。
俺たちと十五歳離れているから、今年で三十歳。
未だに彼女も作らないで、親友の和臣さんと同居しているなんて驚きだ。
麻衣さんは彼氏がいながら結婚はしていない。
母さんからは『いい加減、結婚したら?』と言われているが、麻衣さんは『まだ結婚する気はない。』と言い張っている。
まあ、麻衣さんがお母さんになるっていうのは、全く想像できないけど。
男と同居しているのだから、生理現象はどうしているんだろうと思ったことは多々ある。
これぞ、思春期の男子学生が抱くものだ。
俺は、貴重な映像が見られるのかな?とお子様な期待を膨らませながら、気付かれないようにドアをゆっくりと開けた。
その瞬間、俺の視界に入って来たのは――――――。
「バカ!そこばっか触るなよ!」
「いいじゃん。ここが、カズの一番感じるところだろ?」
俺は言葉を失い、頭が真っ白になった。 ドアの隙間から見た光景が何と!!!!
ベッドの上で、裸になっている律兄貴が、同じく裸になっている和臣さんの上に乗っているのだ。
そしてキスをしながら、ドラマや雑誌やHなDVDでやっていることをしているのだ。
ショックで、俺は石のように固まっている。
そんな俺を無視して、二人の行為はどんどんと先へと進んでいく。
いつも笑顔で俺を可愛がってくれた和臣さんが、今では全くの別人だ。
律兄貴のキスや愛撫によって、顔を赤くしながらHなDVDに出てくる女優さんのように声を上げている。
律兄貴も肌を赤く染めながら、和臣さんを宝物のように扱っている。
衝撃の光景だった。
俺は気まずくなってしまい、ゆっくりとドアを閉めた。
そして気付かれないように、律兄貴の部屋を後にしたのであった。
最初のコメントを投稿しよう!