帰宅/三丁目

2/2
前へ
/8ページ
次へ
曲がり角を入れば 見慣れた景色 知り合いには 会わなくなった たまに 『おかえり』って言ってくれる大人達 『ただいま』って言うのはちょっぴり照れ臭くて いつも 笑って挨拶をした 今は.. コツコツと靴の音のみが響く たまに聞こえる中学校からのメトロノーム 通わなかったけど 夕方 この町に響く渡るのが、私にとって普通の事―――… 夕空を背に.. 電柱がパチパチと灯りをつけはじめる 知り合いのおばあちゃんとは時間が合わなくて なかなか会えなくなった 開いた戸の奥には畳が広がっていて―… 1枚のタオルが敷いてある 犬でさえも、私の帰りを待たなくなった いつも外を見て寝てたのにな… ちょっぴり切なく、 懐かしい事―――… そのあと、 考えながら登る階段は 一つ また一つ 思い出の代わりに疲れを癒やしてくれる 家が見えた時には全てを忘れ 明日からの事をまた考えるんだ .
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加