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腕輪からグレイブを出すアザエル。
「さて、まずは自己紹介とするか、俺はアザエル。あんたは?」
怒鳴り散らしていた男は答えた。
「俺はロクシート、またの名を、ホッパー………」
男はそう言うと、一瞬にして空高く飛び上がり、そのままアザエル目掛けて落っこちてきた。
「いたってシンプルな戦法だな、それゆえにバランスよく戦える。さて、こっちもいくか!」
グレイブを振り回し、ロクシートに攻撃しようとするが、高く飛び上がっては落ちを繰り返すのでなかなか当たらない。
「キッ!ちょっとは手加減したらどうだ?」
イライラしてきたアザエルが言った。
「先に仕掛けたのは君だ。手加減する理由はない。」
ロクシートはそう言ってまた飛び上がった。
一方、まだ食事中のネフィリムと、普段から影が薄いせいか登場の少ないハルベルトの二人。
「アザエルさん、大丈夫かな?」
心配そうに言うハルベルト。
「大丈夫ですよ。アザエルさんは強いですから。」
能天気に言うネフィリム。
戦闘中の二人は、なかなか進展のない戦いをしていたが、ロクシートに動きがあった。
「そろそろ終わらせてもらうよ。」
そう言うとロクシートは飛び上がり、アザエル目掛けて飛び蹴りをしてきた。しかしその時、アザエルに変化が起きた。
「………。」
アザエルは先ほどとは全く違う表情をしていた。そこには明らかなる恐怖があった。なんとアザエルは、ロクシートの足にグレイブを突き立て、弾き返してしまったのだ。そして、その足にかじりつき、股肉を呑み込んだ。
「さすがは、あのお方の将となるべき者。全てを喰いつくす虫。その力、計り知れないな。今日は退くとしよう。」
ロクシートは何処かへ逃げていった。
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