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第五章 ほのくらい過去
緑色の液体の中に、一人の赤ん坊がいた。液体の入った容器はいくつもあるが、0000と書かれた容器の中の者は、長い触角がある。
「マルアーク計画も大詰めだな。」
一人の白衣を着た男が言った。
「No.0000が無事に稼働すれば、残りの2000体を動かしましょう。」
白衣を着た女が言った。
「………。くどいようだか、本当に精神プログラムは不完全なんだろうな?」
「はい。非人道的な行いをしている私たちを攻撃されては困りますから。」
不安そうな男に女は返答した。
「自己進化プログラムは?」
「しっかりと組み込みました。これで彼はアザセルを越える力を持った、究極の生体兵器となるでしょう。」
また女は返答した。
「よし、起動開始。No.0000 コードネームは、マルアーク・アザエル。」
「!!」
アザエルは目をさました。
「大丈夫ですか?酷く魘されてましたよ?」
ネフィリムが尋ねた。
「ああ、多分大丈夫だ………。」
アザエルは言った。
(まったく、なんだったんだ、今のは………。)
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