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武装闘士アスタロス 第六章
数週間の後に、アザエルたちは王都についた。
「やっぱり賑やかですね~」
ハルベルトは興奮している。
「遊びたいところだが、まずは翼の男について調べんとな。国立なんちゃら図書館とかないのかね?」
そんなことを言ってうろちょろしていると、なにやら少女と中年の男がもめていた。痩せていて、腹がふくれた少女だった。
「人の財布盗んでおいて、ごめんなさいも言えんのか!?」
「これがないと今日の食事もないんです。お願いです。譲ってください。」
どうやら、貧しい少女が男の財布を盗んだようだ。
「おっさん。ちょっと待て、この娘はとても痩せていて、なのに不自然に腹がふくれている。栄養失調の症状だ。立っているのも難儀なはずだ。そんな気の毒な女の子から、あんたは生きる権利を奪うのか?」
この騒ぎにアザエルが割り込んできた。
「う………、しかし」
「?」
「私を誰と心得る!私はこの国の公爵だぞ!?衛兵!こいつらを引っ捕らえろ!」
男がそう言うと、沢山の衛兵が現れた。
「やれやれ、これだけの数を相手にはできんな。しかも、無駄に怪我人を出したくない。」
アザエルがそんなことを言うと、
「ならば、手を貸そう!」
どこからともなく声がした。
「何者だ!?姿を現せ!」
すると、高いところから、一人の男が見下ろしていた。
「天が呼ぶ!地が呼ぶ、人が呼ぶ!悪を正せと俺を呼ぶ!聞け!悪党ども!我はアスタロス、アスタロス・ザイン!正義の剣なり!」
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