第二章 なよたけのネフィリム

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旅に出た二人は、森の中に来ていた。食料などは村の残骸から拾い集めてきた。 「ところで、何処へ行くんですか?」 ハルベルトが言った。 「王都へ行く。情報が集まってくるだろうからな。」 素っ気なく答えるアザエル。 「腹減った。あんた先に食ってろ。俺は自分で探してくる。その量だと近くの村までもたない。」 そう。翼の男の攻撃で、食物はほとんど燃えてしまったのである。ちなみに生存者はこの二人のみである。 「探すって何を?この辺りは、食べられる動物はいませんよ?」 ハルベルトは言った。 「バーカ、毒がなくて、衛生的問題が無かったら、何でも食えんだよ!」 アザエルは信じられないことを言った。 「シロアリですか?」 森の中をうろつくアザエルは、不自然な太さの竹を見つけた。ちょうどにんげんほどである。 「ちょうどいい、翼の男が言ってた剣とやらも試してみるか!」」 そう言うと、腕輪からグレイブが出てきた。アザエルはそれを勢いよく振り、竹を切った。 「一丁上がり!こりゃ歯ごたえが良さそうだな。」 はしゃいでいると、竹の中から一人の少女が見つめていた。身体を布一枚で隠している。「アザエルさん。やっと会えた。探していましたよ?」 そう言うと、突然アザエルに抱きついた。い。 「ちょっと待て!あんたは誰だ?」 「誰って、忘れちゃったんですか?酷いなぁ、私はネフィリムですよ!?あなたの……あれ!?」 アザエルの質問に答えていた少女だが、途中で止めた。 「あれ?待ってください。あなたはアザエルさんですよね?」 「いかにも俺がアザエルだが、一体どうした?」 当然の質問に当然の回答をする。 「思い出せない!私が誰で、あなたが誰か、大切なことのはずなのに…。」 少女は、勝手に盛り上がり、混乱している。 「まぁいい、今はその恰好なんとかしろ!」 「え?」 少女は、この時初めて自分の服装に気がついた。 「いやぁああ!」 森に叫び声が走った。
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