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アザエルは、ネフィリムと名乗った少女を連れて、テントに戻ってきた。ハルベルトは既に寝ていた。
「ほら、これを着ろ。」
アザエルは、なぜか持ってきた女物の服をネフィリムに渡した。
「どうも。」
「話を整理しよう。あんたはネフィリムで、俺のことを知ってる。で、記憶喪失。」
「はい…。」
アザエルは続けてこんなことを言った。
「その腕輪は?」
「わかりません。でも、ここから頭に使い方が流れ込んでくる感じがします。」
少女は答えた。
「最後の質問。翼を持った男を知らないか?」
「ぼんやりですが、翼を持った青年が、黒い怪物と共に、人を殺していく記憶があります。」
ネフィリムはだいたいこんなことを言った。
「要するに、連中は俺の敵だな、倒す方法を探すぞ。ネフィリム、あんたも来い!」
アザエルは唐突に凄いことを言った。
「いいんですか?」
「ここでのたれ死ぬより良いだろう?」
「はい。よろしくお願いします。あら?」
ネフィリムはアザエルのスケッチブックを見つけた。
「あんたも化け物とか言うのか!?」
威圧的な口調で、アザエルは言った。
「なんでそんなことを!?素晴らしい天使の絵じゃないですか。」
普通は分からないものを、ネフィリムは何故か理解できるた。
「そうか!?お前はこれをわかってくれるのか!?」
「勿論ですよ。」
アザエルは、おそらくこの瞬間ほど、喜んだことは無いだろう。
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