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翼の男は言った。
「魔王様、あなたが本当にかつての貴方ではないかどうか、試させていただきますよ。」
そういうと、男の後ろから、無数の小鬼のような怪物が現れた。
「行きなさい。」
翼の男の僕であるかのように、小鬼たちはアザエルのテントに向かっていった。
それに気づくアザエルとネフィリム。
「なんだあいつラ!?なんかヤバそうだな、おい!起きろ!ハルベルト!」
「な、なんですか!?そこの女の人といい、この怪物といい!」
状況を理解できないハルベルト。
「話は後だ!とりあえずこいつらをぶっ潰す!」
「は、はい!」
アザエルに言われるがままに、弓を射るハルベルト。
「ネフィリム、あんた戦えるか?」
アザエルの言葉を聞くと、ネフィリムは腕輪から杯のようなものを取り出し、空に掲げた。すると、一瞬閃光が走り、小鬼は吹き飛んでいた。残ったものをアザエルが切り裂いていく。
「こんなもんか、」
と、安心していた矢先に、更に大量の小鬼が現れた。
「くそ、きりがない。ぐぶ!」
その時、アザエルの体に異変が起こった。
「ついに、魔王様の真の姿を見られるのですね。」
物陰から翼の男が言った。
「痛い!出る!出る!!!」
「アザエルさん、こんなときに何ですか!?」
あわてふためくハルベルト。
「大丈夫です。アザエルさんは、自分の中にある『甲虫』と出会ったんです。今力に目覚めます。」
ネフィリムは意味がわからないことを言った。
「魔王様、その気高く美しい姿を、お見せください。」
翼の男が言った。
その時、アザエルの背中は破れ、中から虫のような4枚の羽根が現れた。
「な、なんですかそのおぞましい姿は!」
羽を広げたアザエルは、まるでゴキブリのように物凄いスピードで移動し、敵に掴みかかって行った。
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