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時は飛び、今は放課後。
幸か不幸か、昇降口でばったり由花と会った。
「おっ!修も帰り?」
「当たり前だろ」
相変わらず、俺は憎まれ口ばかり叩いている。
「そっかぁ~、じゃまた明日ね」
由花は手を振り、走りだした。
この時、なぜか耳が熱くなった。
「待てっ!!」
言った通り、由花は立ち止まり、振り返った。
「んっ、なに?」
途端に、頭が真っ白になる。
あれ、何を言おうとしたんだ?
「い、いや……わりぃ、何でもない」
「ほんっっとに?」
「あぁ」
俺は頷いた。
「……そっか。じゃあ、今度こそまたねっ!」
走り去っていく姿を、呆然と見つめていた。
顔が、少し熱かった。
夏とか暑すぎる。
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