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努力の結果は報われず、結局、名簿に“遅刻”と書かれた。
あー、世の中って世知辛い。
兎にも角にも、午前中の授業が終わった。
相変わらず、由花は俺の気持ちもお構いなしに、休み時間となれば話しかけてくる。
窓の外を見ると、灰色の世界。
雲がうなだれていた。
「雨降るらしいよー?」
言われんでも、外見りゃわかる。
由花は本当に能天気なやつだ、まったく。
なぜかこのとき、俺はまったく雨のことなど気にしていなかった。
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