3人が本棚に入れています
本棚に追加
「あなたは、ゲームの雑魚キャラのように私を殺せばそれでいいんです。自殺ということにしておきますから」
「…何で」
「?」
足が震えて、立っているのがやっとだった。ただ彼女を否定したい。それしか無かった。
「間違ってるだろ!何で俺に…同級生に殺せとか言うんだよ?じっ、自殺すればいいじゃん」
違う、こんなことが言いたいんじゃない!俺が聞きたいのは、
「間違ってるなんて言わないで」
絞り出すような切実さのこもった声だった。
「ご…めん……」
深く溜め息をつき、己己己己は不満そうに口を尖らせ、指で髪をいじり始めた。初めて見る姿に、不思議と可愛いと感じた。
「冬休み中は暇ですか?」
「うん」
「ではまた連絡しますね」
引き止める時間を与えずに、彼女は公園を出て行ってしまった。
俺が聞きたいのは――
死にたい理由。それなのに。
「マジ勘弁…」
お気楽な冬休みは送れなさそうだ。
最初のコメントを投稿しよう!