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一ヶ月、二ヶ月、三ヶ月……
月日が経つごとに楓は少しずつだが落ち着いていったようにみえる。
二人の邪魔をしないように、仁志とは時間をずらし僕も楓の元へと通い、楓の変化を微かに感じている。
そしてあの日から半年がすぎた頃、仁志から電話があった。
「楓が笑ってくれた」
嬉しそうに震える声で仁志は僕に伝えた。
僕は胸が熱くなって涙があふれ、とまらなかった……。
笑った。
楓が昔のように仁志に笑ったんだ……。
すごく嬉しかった。
勝手かもしれないけど、何だか赦された気がした。
二人で電話で泣きながら「よかった」と話した。
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