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それから講義が終わり、短い休憩が入る。
「…いやー、最初からガチ講義とか、マジ辛いわw」
「そうだなー」
「…とか、言ってるけど、最後の方とか昇くんは前の女の子の事しか見ていませんでしたけどね…」
ニヤニヤしながらこちらを見てくるシン。
「バッ…!お前と一緒にすんな!腐れろ!」
「えぇ!?酷くないッスか!?」
「酷くねえよ!」
なんて言っているが、実際シンの言うとおり、最後の方は前の子が気になって、ずっとその子を見ていた。
いや、別に、異性として興味を持ったから見ていた訳ではなく、なんで俺なんかに用事があるのかな、っていう疑問があったからで……って、誰に言ってんだよ、俺は。
などと、くだらない事を考えていると、不意に、後ろから声をかけられた。
「ねえ」
「…ん?」
振り返ると、そこには先ほどから俺達の話題の中心になっている少女が立っていたのだった。
「…な、何かな?」
「…クスクス……気付かない?」
「…?何に?」
「……ふーん。気付かないんだ…」
おい、コイツ頭大丈夫か?なんか、訳分んねえ事言ってるぞ!?
あれか?!俗にいう『厨二病』ってヤツか!?そうなのか!?全く…。大学生にもなって、まだ厨二かよ。てか、ただのイタい子じゃねえか、コイツ。
……はぅ!今、なんか直感で感じたんだが、もしかして、コイツが俺にある用事って…『アナタは私と契約をしなければ、明日、○○(組織名)の手下共によって抹殺されるわ。』みたいな事を言われるのか!?そ、それだけは勘弁してくれ!
てか、ツッコミ忘れてたが、お前、小学生だろ。絶対!
特に見た目とか。
「見た目小学生で悪かったわね…。」
少女は聞こえるか聞こえないかの瀬戸際の声でそう呟いた。
すると、
「ひィ…ッ!」と、何故かシンが悲鳴をあげた。
「どうした?」
「…な、なんでもない…デス。」
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