1394人が本棚に入れています
本棚に追加
明らかにさっきとは様子が違うシン。
不思議に思うが、変なのはいつもの事なのでスルーすることにした。
「…それで、俺は何に気付いていないって?」
「…分からないなら、別に良いわ…フフ。」
そういって、少女はどこかに行ってしまった。
その時見せた妖艶な微笑みが、何故かあの人形の顔を思い出させたのだった。
「…それにしても、さっきの子誰なんだろ…」
「…もう良いじゃねえか……きっと厨二病の患者さんだよ…」
「お前…」
それは思っていても言わない約束だろ、とは言えず、苦笑いを浮かべる俺。
昼休みになり、シンと二人で食堂に向かう。
「…で、食堂に来た訳だが、凄いな…人の数。」
「…ああ、凄い。」
目の前には人で溢れ返ったフィールドが広がっていた。
「…今日、やめね?w」
シンにそう呟く。
しかし、シンから返事は返ってこなかった。代わりに、もの凄い鼻息の荒い声で「……も、もしかしたら、ムフフでアハハな展開とか!?」という声が聞こえてきた。
どうしてそういう声が聞こえてきたのかは、敢えて聞かなかった。
「ようやく席確保できた…」
シンが気持ち悪い顔をしながら、俺の後ろで呟く。
最初のコメントを投稿しよう!